理事長あいさつ
昭和43年11月1日に北淡路土地改良区が設立され、すでに半世紀以上が経過していますが、その間に起こった事と言えば、昭和49年の谷山ダムと常盤ダムの完成、常盤観光ぶどう組合の設立及び観光ぶどう園の開業、平成元年の事業完工、忘れてはならない平成7年の阪神・淡路大震災、平成10年のあわじ花さじきの開園と明石海峡大橋開通、そして翌年の兵庫県立淡路景観園芸学校開校。このように目まぐるしく展開する社会情勢に、当改良区は常に翻弄されていたのではないかと考えてしまいます。
中山間地における農業は、人材不足による後継者不在と高齢化、農地集約化が難しい地形、生活を支える社会的環境の喪失などにより、ますます衰退の一途をたどっていますが、北淡路地区も例外ではありませんでした。これに対し、北淡路土地改良区は一般法人や個人事業者によるリース方式の農業参入を推進することで、遊休農地の解消や新たな担い手の育成・創出を目指しています。神戸・大阪という大消費地に近く、6次産業化も比較的容易である地理的条件が功を奏し、数多くの事業者が参入していますが、これほどの数の参入は全国的にもあまり見受けられません。また、近年では淡路島の自然と景観による癒し、御食国としての歴史を持つ食材等を求めて観光で訪れる方がますます増えてきています。都市圏に近いということもありますが、島という環境は日常生活の中では見ることのない素晴らしい景観を見せつけてくれるからでしょう。
こうした状況を踏まえ、北淡路土地改良区では農観連携をテーマとした営農活動を推進しています。事業者が「ここ」にビジネスチャンスを見出し、新しい農業のカタチを作り出す事で更なる人的交流が進められています。 これからも、北淡路地区は農観連携を主軸として更なる発展を目指してまいりますが、組合員の皆様方や参入していただいている事業主の皆様方と互いを支えあい、『いつかきっと帰ってくる』次の世代のために、ここを守っていく所存です。ますます発展する「北淡路」にお越しいただき、この愛すべき田舎を是非ご堪能ください。
- 北淡路土地改良区 理事長(淡路市長)
- 門 康彦